2019年から2020年へ、ブタ年からネズミ年へ?

明けましておめでとうございます。

2019年が終わり2020年がやってきました。干支・十二支は、豚(ブタ)年から鼠(ネズミ)年に代わりました。と書くと、えっと思われる方も多いかと思いますが、これは、オリンピックイヤーと言うことで、国際的にアレンジしてみた結果です?!

亥(い)年がイノシシは少数派

というのも、日本では、亥(い)年はイノシシ年ですが、干支の在る他国では、ほとんどの国がブタ年なのです。実は、干支が、イヌの後がイノシシという国は、少数派なのです。

というわけで、世界的に多数を占めるブタ年からネズミ年に代わったと言うことで、ブタと世界的に有名なネズミのミッキーマウスを並べてみました(笑)。

12種類の干支ということで、十二支と言います。
十二支は、「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)」と漢字では表記します。

十二支にはそれぞれ動物の名前が付いていますが、漢字は動物を意味する漢字ではありません。例えば、「子」という漢字には「鼠(ねずみ)」の意味はありません。この理由は、もともとただの記号であった十二支に、覚えやすいように古代の中国で動物名を当てはめたという説など諸説あります。

世界の十二支

以下、日本の十二支と他国の十二支を比較してみました(未掲載国については、分かり次第、随時追加予定。情報募集中)。日本と異なる部分を赤で表記しました。

十二支の漢字子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)
日本鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪
中国鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、豚(中国語では、豚を猪と表記)
チベット鼠、牛、虎、、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
台湾鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
韓国鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
モンゴル鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
鼠、牛、、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
ロシア鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
ベラルーシ鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
鼠、牛、虎、、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
ブルガリア鼠、牛、、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
タイ鼠、牛、虎、、龍、蛇、馬、山羊、猿、鶏、犬、
ベトナム鼠、水牛、虎、、龍、蛇、馬、山羊、猿、鶏、犬、
フィリピン鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
トルコ鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
鼠、牛、虎、兎、、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、
インド鼠、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、ガルーダ、犬、
(ガルーダ=インド神話の神鳥)
アラビア鼠、牛、虎、兎、ワニ、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、

上記の表の通り、亥年が猪(イノシシ)なのは、日本だけです。干支・十二支の発祥の地と言われている中国での亥年が豚(中国での表記は「猪」)であり、それが他国に伝わり、日本にも干支・十二支が、中国から直接か、または朝鮮半島経由で伝わってきたわけですが、日本では、豚が猪に代わってしまいました。

ちなみに、今年の子年については、私の調べた限りでは、どこの国でも、鼠(ネズミ)です。

日本だけが豚(ブタ)が猪(イノシシ)になった理由

ブタはイノシシを家畜化したものだが日本ではその習慣がなかった、弥生時代に北九州を中心にブタを飼ったことがあるがすぐ廃れた、なぜなら森林が豊かな日本では野生のイノシシがふんだんに獲れたから、やがて仏教が伝来、肉食は嫌われブタは日本から消えた、そこへ干支が伝わりブタはイノシシになった

出典:磯田道史『江戸の備忘録』(文春文庫) 「日本人と動物」の項 より

磯田道史『江戸の備忘録』に記されている通り、弥生時代には、日本でも豚(ぶた)が飼われ食べられていましたが、直ぐに廃れてしまい、干支が日本に伝わった頃の古墳・飛鳥時代には、豚が日本では珍しい状態になっていて、干支も豚が猪(いのしし)となったと考えられています。ちなみに、今では、日本で、豚を食べることは普通ですが、日本で豚を食べることが普通になったのは、明治以降です。

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