新型コロナウィルス感染予防のため在宅勤務・テレワークが増える中で、PDFファイルで、資料や書類のデータを受け取る機会も増えた方も多いかと思います。受け取るだけでなく、自分もPDFファイルで資料や書類を送りたい!、送るべき?と考えている方も多いかと思います。
でも、PDFって、作るの難しい?作るのにお金が掛かる?などの疑問や不安もあることでしょう。実は、PDFファイルは、とても簡単に作れて、しかも無料で作れます。その方法を、この記事では紹介していきたいと思います。
関連リンク
コロナウィルス感染拡大が進み、テレワーク・在宅勤務となってしまった人も多いかと思います。そんな中で、色々なデータファイルを受け取る機会も多いかと思います。受け取るファイルの多くが、PDFファイル(.pdf)やExcelのファイル(.[…]
PDFとは?
PDFは、「Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)」の略で、データを実際に紙に印刷したときの状態を、そのまま保存することができるファイル形式です。どんな環境のパソコンやスマホやタブレットなどで開いても、同じように見ることができる、「電子的な紙」なのです。1993年にPhotoshopなどで有名なアドビシステムズによって開発・販売され、2008年7月には国際標準化機構によってISO 32000-1として標準化され、今では、国際規格になっています。
通常、Microsoft WordやExcelやPowerPointといったアプリケーションソフトで作成したデータは、同じソフトを持っていないと開くことができません。データを相手に送っても、見てもらえないこともあるのです。また、作成したパソコンとは別のパソコンで開いた場合には、フォントが置き換わってしまったり、レイアウトが崩れてしまったりすることもあります。ところがPDFなら、相手がどんな端末でも、情報をそのまま共有できるのです。また、WordやExcelやPowerPointなど用のデータファイル時より、PDFファイルに変換後の方がファイルサイズが小さくなります。
そのため、最近ではパソコンなどのマニュアルなどにもPDFが利用されています。マニュアルを紙で作成すると、紙代や印刷代などさまざまなコストがかかりますが、PDFなら紙のコストもかかりません。ユーザーとしても、紙の管理がなくなり、必要な時にいつでも取り出すことができます。
さらに、PDFは文字情報を持っているため、キーワードを使って中身を検索することもできます。紙のマニュアルでページをめくりながら探すよりも、知りたい情報のあるページが見つけやすいのです。
PDFは、どんな時に使うべき?
送受信者、双方が「同じレイアウトで」閲覧したい場合
PDFファイルに変換した資料や書類の場合、誰もが、同じレイアウトで見ることができます。例えば、Microsoft WordやExcelやPowerPointの場合は相手のバージョンによってファイルの見え方が異なる場合があります。そのため、レイアウトが大きく崩れたりしてしまいます。そもそも、WordやExcelやPowerPointや一太郎がインストールされていなかったりするPCであれば閲覧は困難です。
関連ページ
パワーポイントが入ってないパソコンでパワーポイントのデータを開く方法
一方、PDFファイルであれば、どんな環境でも同じレイアウトで閲覧する事ができます。PCだけでなく、スマホやタブレットであろうと同じレイアウトで閲覧することが可能です。送受信者がお互いに同じレイアウトの物を表示することできる点が大きなメリットと言えます。
送るファイルサイズを小さくし、相手に加工させたくない場合
PDFファイルは、サイズ容量が小さいこともメリットです。特にパワーポイントなどのように、画像がたくさん使用されているファイルは、デ―タが重くなる場合があります。その場合には、「ファイルが送れない」「ファイルが重すぎて開きにくい、開くまでに時間が掛かる」「ファイルが重いせいでメールボックスの容量がすぐに一杯になる」ということが起こります。
サイズが小さくなるPDF変換は、送る側にとっても送られる側にとってもメリットがあるのです。
加工できないというメリットもあります。例えば、請求書や重要書類を加工できるファイルで送った場合、悪意を持って改ざんされるかもしれません。悪意がなかったとしても誤って改ざんしてしまう場合も考えられます。その点、PDFファイルは基本的には加工できないので、そのようなリスクを排除できるのです。
PDFファイルを作成・編集する方法
PDFファイルの作成はとても簡単!
上記のようにメリットの大きいPDF化ですが、作成や編集も簡単にできます。しかも、無料で行えます。
PDFは、アドビシステムズが作った仕組みだから、使うにも高額なお金が掛かりそうというイメージがありますが、実は、無料で使えます。確かに、アドビシステムが販売しているPDF作成・編集ソフトのAdobe Acrobatは、月額1,500円と高額ですが、Adobe Acrobatを使わなくても、PDFファイルの作成や編集はできます。
PDFファイル作成機能は、Windows10やMacOSに標準搭載
PDFファイルの作成機能は、Windows10やMacOSに最初から機能として付いています。
Windows10の場合、印刷時にプリンタ一覧から「Microsoft Print to PDF」を選択し、印刷を実行すると、指定した保存場所にPDFファイルが作成されます。
Macの場合も、印刷(プリント)の操作で、「PDF」を選択することで、PDFファイルの作成が可能です。
Microsoft Office Word、Excel、PowerPointで、PDFファイルとして保存可能
Microsoft Office Word、Excel、PowerPointで、「名前付けて保存」で保存するファイルの種類を「PDF(*.pdf)」を選択し保存することで、PDFファイルとして保存することができます。
Wordについては、上記画面の「オプション(O)」を開き、「ドキュメントをパスワードで暗号化する(N)」を選択することでパスワード保護付きのPDFファイルを作成することができます。
残念ながら、Excel、PowerPointからは、パスワード保護付きでPDFファイルを保存する機能はありません。Excel、PowerPointから保存したPDFファイルをパスワード保護付きにしたい場合は、パスワード無しで保存後、別ソフトでパスワードを設定する必要があります(この方法は、後で記述)。
フリーソフトでPDFファイルを作成
PDFファイルの仕様は公開されているので、PDFファイルが作成できる無料で使えるフリーソフトも多数存在します。その中で、使いやすいソフトとして、CubePDFをオススメします。
PDFファイルを編集する方法
PDFファイルを編集するには?
作成したPDFファイルを編集する方法を紹介します。PDFファイルの編集は、ファイルの結合や抽出・分割、ページ順序の変更、パスワード設定などが行えます。PDFの編集機能は、WindowsやMacOSには搭載されていません。Microsoft Office Word、Excel、PowerPointも作成のみで編集機能はありません。PDFの編集は、PDF編集ソフトが必要です。Adobe Acrobatを使えば、もちろんPDFファイルの編集は行えますが、毎月1,500円も掛かってしまいます。PDF編集についても、フリーソフトで十分な編集ができます。筆者がオススメするPDF編集ソフトは、先に紹介したCubePDFを作っているCube Softが作っているCube PDF Utilityというソフトです。
CubePDF Utility は、PDF ファイルの結合や抽出・分割、ページ順序の変更といったページ編集をはじめ、パスワードの設定など、 PDF ファイルに関する様々な操作を戸惑いなく直感的に行えるようにデザインされていて、使いやすく便利です。もちろん、Cube PDF以外で、作成したPDFファイルについても、編集が可能です(ただし、編集禁止の設定が行われているPDFファイルは、編集できません)。
作成したPDFファイルにパスワードを設定するには?
CubePDF Utilityを使えば、PDFファイルを開くときにパスワードを入力しないと開くことができないように設定することが可能です。重要なファイル、機密性の高いファイルには、パスワードを設定するべきでしょう。ExcelやPowerPointで作成したパスワード無しのPDFファイルも、パスワード保護付きのPDFファイルに変更することが出来ます。
- CubePDF Utilityでパスワードをふかしたいファイルを開く
- 「セキュリティ」を開き、「PDFファイルをパスワードで保護する」へチェックを入れる
- 「PDFファイルを開く時にパスワードを要求する」にチェックを入れパスワードを設定する
- パスワードを入力後、「OK」を押す
- 保存で「上書き保存」か「名前を付けて保存」を選択し、パスワードが設定されたファイルを保存する
PDFファイルのパスワード機能では、以下のことも管理が可能です。
- PDFファイルの印刷をできないようにする
- PDFファイル内のテキストや画像のコピーをできないようにしる
- PDFファイルに新たなページの挿入やページの回転や削除ができないようにする
- アクセシビリティのための内容の抽出ができないようにする
- フォームへの入力をできないようにする
- 注釈の追加、編集をできないようにする
この「セキュリティ」の設定で、送られてきたパスワード保護付きPDFファイルから、パスワード保護を解除することも可能です。ただし、閲覧用パスワードと管理用パスワードが別に設定されていて、管理用パスワードがわからない場合は、解除は不可能です。
PDFファイルに電子印鑑を押す方法
まだまだ、はんこ文化の日本。デジタルデータのPDFファイルに印鑑が押せないと考える方も多いことでしょう。そんな方に、電子印鑑をオススメします。
電子印鑑のメリットは「業務効率化」です。これを使うだけで、PDFの帳票などを紙にプリントせずとも挿入作業が行えます。
取引先から送られてきたPDF帳票を印刷するためにプリンターへ行き、そして承認印を押して別の部署へ回す。こういった手間を解消してくれる新しい判子なのです。
電子印鑑を作るには、「Web認印」という無料オンラインツールが非常に便利。面倒な登録などをしなくても、わずか1分足らずでスピーディーに電子印鑑を作れます。
このツールではなんと10,000種類の名字のPDF判子を作ることが可能。他の無料ツールよりも手順が少ない上に名字の数も豊富です。ただし、登録されていない名字は作れません。
作り方は簡単、名字を打ち込んで書体と大きさ、色を設定したら「作成」ボタンをクリックするだけでOK。その後画像形式とPDF形式のウィンドウが開くので、必要な電子印鑑を保存すれば完了です。
Web認印を提供しているのは株式会社白舟書体(はくしゅうしょたい)という、フォント制作を行っている企業です。有料の上位互換版のPDF判子などは特にありませんが、「とにかく手間をかけたくない」という方はこのツールを使ってみるといいでしょう。
電子印鑑をPDFへ押印するには、Adobe Acrobat Reader(無料)で行うことができます。PDFを閲覧する際に便利なAdobe Acrobat Readerですが、実はこちらへ挿入するのはそれほど難易度は高くないです。
まずはPDF形式の電子印鑑を作り、その後Adobe Acrobat Readerの「ツール」タブ⇒「スタンプ」をクリックします。その後、表示された「カスタムスタンプ」をクリックし、作ったPDF電子印鑑を読み込めば準備完了です。
「いざPDF帳票へ電子印鑑を押そう」という時には、「スタンプパレット」を押し、挿入したい電子印鑑を選択すればOK。その際、企業名などのユーザー情報を入力することが可能です。
ただし、コンピュータでスピーディーに挿入できる電子印鑑ですが、現在のところPDF帳票へ挿入した電子印鑑にはそれほど効力・信頼性はありません。
というのも、冒頭で説明した無料ネットツールなどで作った判子には、セキュリティ対策が行われていないからです。
例えばPDF帳票へ挿入しても、タイムスタンプや電子署名などの機能が備わっていなければ「本当に本人が押したのか」を証明することは困難です。こういった事項がより徹底されてこないと、PDF帳票へ挿入した電子印鑑の信頼性は上がらないでしょう。
まとめ
当記事で、PDFファイルの作成や編集が、簡単で、しかも無料でできることを知っていただけかと思います。是非、あなたも、PDFを仕事やプライベートで活用してみて下さい。